2006年07月14日

2 働かざるもの食うべからず

 ラーメンも好きだが、猫舌なのでつけ麺が大好物。つけ麺の総本山、池袋大勝軒で初めて食した時はまさに私のためのラーメンと思ったものだ。

 つけ麺にはまっている当時、勤めていた会社は午前9時が始業時間だったが、私はなぜだか11時頃出社するのが常であった。席に着くとまずコーヒーを煎れる。そして朝日、読売、毎日、日経と会社に届いた新聞にゆっくりと目を通す。そうこうしているうちに昼時になる。
 その頃には頭の中につけ麺が浮かんでくる。「ああ、大勝軒のつけ麺が食べたいな」そう思ってしまうと、もうダメだ。「つけ麺、つけ麺、大勝軒、大勝軒」と頭の中が一杯になって、ついに会社を飛び出し駅に向かってしまう。
 大勝軒に行かれた方ならおわかりと思うが、とにかくこの店の行列はひどい。2時間くらい平気で待たされる。会社から店まで往復で1時間半、行列2時間、食事30分となると、社に戻る頃にはすっかり夕方になってしまう。で、席に戻るとまずコーヒーを一杯。ちょうど頃合い良く夕刊が届くので、一紙ずつ丹念に眺める。私は終業時間には比較的厳しい方なので、時計が規定の5時半を回る頃には帰り支度を始めるのだった。
 もちろん、いくらつけ麺好きでも、毎日大勝軒では飽きる。他に2店、お気に入りの店があった。一つは高田馬場の名店「べんてん」。ここのつけ麺は麺ののど越しが格別に良い。そしてもう一つは激辛好きの聖地「中本」。ここの名物のつけ麺「冷やしみそ」を初めて頼んだ人は、目の前に運ばれた料理に思わず笑ってしまうだろう。全面唐辛子といった地獄のようなスープ。しかし慣れてくるとその恐ろしいほどの辛みのなかに潜んでいる旨味から離れられなくなるのである。
「べんてん」は「大勝軒」ほどは並ばずに食べられるが、なんせ麺が美味いもんだからついつい食べ過ぎてしまい、ぐったりしてその日は仕事にならない。「中本」に行くとあまりの辛さに頭がぼーっとして使い物にならなくなる。そんなわけで当時、ウィークデイ5日間のうち3日はつけ麺に振り回される日々であった。

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※「中本」の冷やしみその図
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