2010年03月09日

マイケル・ジャクソンと環境問題

 マイケル・ジャクソンのDVDが評判になって久しい。私も映画館で鑑賞したが、彼の見事なパフォーマンスに終始圧倒された。
 私はもともとマイケルには全く興味がなかった。しかし突然亡くなったことで、テレビなどで頻繁に取り上げられる彼を見ていると、実はとても素晴らしいアーティストだったのではないか、と考えを改め始めるようになった。そして彼が最後に伝えたかったパフォーマンスはどんなものだろう、そう思って映画館に足を運んだのだ。
 マイケルが予想外の形で亡くなったことは、かえって彼のパフォーマンスを多くの人に伝える結果となった。私のようにそれまであまり興味がなかった人が大勢映画館に足を運んだはずだ。もし彼が生きてあのライブを行っていたら……これまで彼を評価してきた人々にとっては素晴らしい体験だっただろう。だが、全世界でこれだけの観客が彼のパフォーマンスに触れることはなかったはずだ。そして多くの人にとってマイケルはそのアーティストとしての才能以上に、奇異の人という印象の方が強い存在のままだったはずだ。
 映画の中にはところどころ彼の環境問題への警鐘が見て取れる箇所がある。彼自身、かなり自然保護という問題には傾注していたようだ。しかし考えてみると、彼の作る音楽がヒットして、ビッグアーティストとなっていく過程に行われた様々な経済活動が環境に与えた影響。その中でどれだけの環境破壊が行われたか計り知れない。
 人間が生き、そして文明を発展させていく過程では自然環境を犠牲にせざるをえないのだ。人が生きている、それがまず害悪なのだから。自然界を尊重するということはつきつめていけば、人類も食物連鎖の輪に加わることができるのかということになってしまう。絶滅種の救済のために自らの身を提供できるのか。だからといって自然を破壊していいわけでもない。今の文明も維持したいでも自然環境も大切というバランスの中でのせめぎ合いなのだと思う。
 もしマイケルが心底環境に配慮しているなら、あのように音響、映像、照明をふんだんに用いた大がかりなステージを行うというのはあきらかに矛盾する。彼は現代のテクノロジーを最大限にいかして成功したミュージシャンだと思う。
 私は人類が築きあげてきたテクノロジーを否定できない。そのおかげで人類はマイケル・ジャクソンという類い希なアーティストを得ることができたのだ。そして何よりもそのマイケルのパフォーマンスをこれほど多くの人々が賞賛できるまでに進化した人類の感性が素晴らしいと思うのだ。


posted by at 19:23| Comment(0) | TrackBack(0) | 日記
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