2010年12月24日

バブルの頃

 若者と飲んでいると4割くらいの高打率で訊かれる事がある。
「バブルってどんな感じでした?」
 今の20代は物心ついてから、好景気を体感したことがないそうだ。資本主義経済は好況、不況の循環であるから、経済的な数値では好況という時期も続いていた。しかし、景気が良いという実感を実生活で得ることはバブル以降はたしかになかった気がする。だから伝え聞くバブルという時代をとても羨ましく感じるのだそうだ。

 バブルだからといって、今より給料が何倍も高かったわけではない。収入的には今の若者とさして変わらなかったのではないだろうか。ただ確かにお金に関する感覚は麻痺していたと思う。いくら使っても益々景気が良くなるんだからノープロブレム、そんな雰囲気が蔓延していた。
 食事に行けば一人1万くらいのコースを頼まないと、デートとして許されない感じがあった。
 標準的な若者は皆冬はスキー、春と秋はゴルフ、夏には海外に行っていた。私の周囲にもゴルフを始める者が多く、週末に行けば5万はかかる。昼食のもりそばが2千円、しかもそれが最安のメニューだった。
 今思い返してみると、安月給でなぜそんなに贅沢できたのかはなぞだが、おそらく丸井のカードが解決してくれてたんだと思う。
 ただ会社の経費は使い放題だった。タクシー代はノーチェックだったので、夜10時を過ぎると、仕事がなくても終電過ぎまで会社に残り1万円以上かけてタクシーで帰る。時々は寄り道して飲んで、それも経費という日々が続いた。月に何度か、朝電車に乗るのが面倒で、自宅からそのままタクシーで会社に乗り付けるということもあった。私の知人の編集者は漫画家の原稿を取りに行くのに必要だからと車1台経費で落とした。
 バブル期に突如、月給が5万くらい上がったことがある。ついに自分も社長コースかと思ったが何のことはない、優秀な新卒を採るためには初任給で釣るしかない。そこで社内のバランスをとるために、仕方なく既存の社員の給料も上げざるおえなかったというわけだ。
 さて、ここで大きな問題がある。若者にとって一番重要な事は何か。仕事が一番とか、布教に捧げるとか、ごく特殊な人たちを除いて、それは恋愛だろう。バブルであっても現代であっても人口における男女比は変わらない。バブルだからといって女子が大量発生するわけではない。イケメンが増殖するわけでもない。今と同様、皆恋愛には不自由していたのだ。
 赤プリの一夜もクリスマスディナーも、豪華なプレゼントも相手がいなければ何の意味もない。だから、当時の若者が特に幸せだったということはないわけだ。
 
 比べてみると、実は今の品物の方が質もセンスも良く値段も安い。生活レベルはむしろ上がっていると思う。
 では結局バブルを経験できたことは人生にとってプラスになったのだろうか。
 良く言われるのは、身銭をきれば物の善し悪しがわかるようになるということである。だがバブルの頃は敵もバブルなのである。バブリーな商品にバブリーな価格を付けて攻めてくるわけだ。だが、我々庶民は本物を見分ける事などできやしない。今サイゼリヤで299円で食べられるのと同じくらいのパスタに5倍もの金額を支払ってっしまう。
 私なりにバブルを経験するということを例えてみると、ギャンブルを体験するのと同じようなものだと思う。その場にいる時は高揚感があるが、終わった後には何も残らない。結局は時間とお金を浪費しているだけ。

 だから若者諸君、好景気を知らないことを卑下することはない。君たちは今のこの社会で懸命に生きればいい。この地球上には明日の食事さえままならない人々が大勢いる。何かが社会のせい、上司のせい、親のせい、教師のせいなどということはない。勝間和代が言うように、起きていることは全て正しいのだ。だから、今の状況を真摯に感謝を持って受け止め、精一杯頑張るべきなのだ、、、なんてね、本当は君たちの事なんてどうだっていいんだけどね。
posted by at 16:39| Comment(1) | TrackBack(0) | 日記
この記事へのコメント
いつもブログを見るのを楽しみにしています☆これからも楽しく読ませて頂きますね(*^_^*)
Posted by インターネットマーケティングの戦略 at 2010年12月24日 17:24
コメントを書く
お名前:

メールアドレス:

ホームページアドレス:

コメント:

この記事へのトラックバックURL
http://blog.sakura.ne.jp/tb/42232638

この記事へのトラックバック